お犬様のこと
3日前の仕事の休憩時間中、
実家のお犬様が亡くなったという連絡が来た。
19歳でもういつどうなってもおかしくない状況が続いていた。
特にここ最近は体調が悪そうだった。
PCRを受けてお犬様に会いたいという話をしても親は今は絶対ダメの一点張りで、もう会いにいくのは諦めた。
2年半会ってない。こんなに会ってないのは初めてだった。
休憩が終わって仕事に戻ると
いつも通りおばあちゃんが世間話をしてきた。
「最近タロット占いのYouTuberにハマってるんだけど、その人の占いによると、小室圭さんと眞子様はめちゃくちゃ性格が悪いみたいよ…」という話をされて、いつもこのレベルの話をされてるはずなのに今日はひっぱたきそうになった。
家に帰る前に花をたくさん買って帰った。
昔作家さんがお犬様の写真を見て似せて作ってくれたお人形の側に飾った。
京都は昨日から緊急事態宣言になった。
ますますしばらくお犬様に会いにいけないと思った。
そして今日は同居人とお仕事のためにスタジオをとっていたのに、私が同居人の言動について怒って、お互いしゅんとしてしまい2人でお仕事をするテンションじゃなくなり今日の予約をキャンセルした。
スタジオの方にも迷惑をかけたし、同居人はお犬様が死んでから不安定になってる私に優しくし続けてくれていたのに、酷いことをしてしまったと罪悪感が心に積もる。
最悪の気分が続く。
まだ死んでしまったという完全な実感はない。
でも母からの話を聞いたり写真をみていたりしているとあのフワフワをわたしはもう一生撫でられないのか、と急にリアルに実感するタイミングがあって、その度に心がユラユラと波立って何かが折れそうになる。
お犬様はわたしが年に数回実家に帰る度、
荷造りしてる私を見て勘付いたのか
会話を理解していたのかはわからないけど
必ずわたしが帰る前日の夜はびっくりするぐらいわたしにべったりで甘えん坊だった。
その度にわたしは泣きそうな気分だった。
おわり